カスタマイズ・UV乾燥/照射システム
当社は1970年にUVインキが国産化されたのと同時に、
UVインキを各種産業用印刷機にいち早く採り入れました。
この間、UV硬化型印刷インキ、塗料、接着剤、コーティング等の
用途が急拡大し、産業用途でUV乾燥システムは無くてはならない
ツールになりました。
当社はコンベア型、組込型、特殊仕様の工業・産業用途のUV乾燥システムを様々な業界に納入しています。
また、ヨーロッパで車載計器等のUV硬化に広く使われている
ドイツssr engineering社の水冷式UVシステムの日本総代理店になっています。

★ コンベア型 UV乾燥機 ★
NPT-453コンベア型3.6kw×2灯(標準仕様参考例)
NPT-453タイプはSUSメッシュ、テフロンコーティングベルト等にワークを載せ、
UV硬化させるコンベア型のUV乾燥機です。
UV乾燥システムは用途・目的によってランプの種類、ランプ灯数、ランプハウスの仕様等を
選択する必要があります。
ここでは3.6kw×2灯式を例にしてコンベア型UV乾燥機の仕様を解説します。
NPT-453 (3.6kw 2灯)
灯具
UV乾燥機の構造は使用目的に合わせて仕様を決めます。
ランプの種類(波長域):
塗膜の厚さや材料の硬化条件に合った波長のランプ種類(メタルハライド、高圧水銀灯等)を決めます。
一般的にスクリーン印刷や厚膜塗装等には、波長の長いメタルハライドを、
オフセット印刷やコーティングなど薄い塗膜には波長の短い水銀灯を使います。
ランプ出力と発光長:
ランプ出力は1cm単位で表し、80w, 120w, 160w, 200w, 240w/cm等の種類があり、仕様目的に出力を合わせて使います。
UV硬化させようとする材料(インキ、塗料、接着剤)の硬化条件と必要積算光量、ワークの大きさ、処理速度に合ったランプと搭載本数を選びます。
灯具の仕様:
被照射物(ワーク)の材質や耐熱性に合せて灯具(ランプハウス)の仕様を決めます。
なるべくワークに熱をかけたくない場合は、コールドミラーや熱線カットフィルターを用いたり、水冷式UV(ssr)を選択します。
ランプ高さ:
通常はランプの焦点距離に合わせてワークを流します。
ワークの高さがまちまちの場合は、ランプ高さを変えられる仕様を選んだほうがベタ―です。
コンベア材質:
SUSメッシュ、耐熱テフロンベルト等乾燥するワークに合わせ決めます。
コールドフィルター
ランプ上下
コンベア
操作パネル
NPT-453 コンベア式UV乾燥機・照射装置(製品例)
NPT-453はSUSメッシュ、テフロンコーティングベルト等にワークを載せ、UV硬化させる
コンベア式のUV乾燥機・照射装置です。
ランプ種類(水銀灯、メタハラ)、ランプ発光長、ランプ灯数、ランプ出力を選択し、
お客様の用途に合わせ、1台から製作します。
NPT-453 (1.0kw 標準)
NPT-453 (4.8kw 2灯)
当社は、お客様の用途に
合わせたUV乾燥機・照射装置を1台
から設計・製作します。
熱に弱いワークには、低温の
水冷タイプが効果的です。
NPT-453 (8.4kw)
NPT-453 卓上型+電源
動画は3.6kw 2灯式のUV乾燥機・照射
装置です。
NPT-453 反転機構付、往復コンベア式UV乾燥機
<反転機構付、往復コンベア式UV乾燥機の特長>
1. UVランプの下を2条のコンベアが往復で走っているので、1台で2台分の乾燥能力がある。
2. 反転機構とワーク移載機構がついているので、1台で2つの仕事(両面印刷・2色印刷)ができる。
3. 最終製品を目視でチェックできるので不良品が出ない。
往復コンベア式UV乾燥機
ワーク反転機構と往復コンベア
当社は、標準品メーカーでは対応できない、お客様のニーズに合わせた印刷機・乾燥機を1台から設計・製作しています。
実際の印刷機と、UV乾燥機を組合せた
1人2役スクリーン印刷機もご参照
ください。
★ 特殊仕様 UV乾燥機 ★
NPT-453 ターンテーブル型UV乾燥機
コンベア型UV乾燥機は乾燥後のワークを出口で作業者が取出す手間がかかります。
ターンテーブル型UV乾燥機は印刷機と組合せ作業者が一人で印刷、乾燥作業を行えるメリットがあります。
ターンテーブル方式
水無しタコ+ターンテーブル
NPT-453 窒素パージ付UV乾燥機
乾燥機全景
窒素パージユニット
UV硬化型材料は大気中だと酸素による硬化阻害が発生します。
当社は密閉したBOXにワークをセットし、窒素ガスを置換するN2パージ型UV乾燥機をお客さまの仕様に合わせ設計・製作します。
★ NPT-457 組込型UV照射器 ★
NPT-457 製品例
0NPT-457はお客様の設計したライン(印刷機、接着剤塗布機、塗装機)に組込むことのできるUV照射器で、
NPT-453と同様に、用途に合った装置を1台から製作します。
NPT-457 1.0kw 冷却ファン付
NPT-457 1.0kw 内部
当社の各種印刷機の殆どは
UV照射器が搭載されています。
1970年にUVランプとUVインキが
国産化されましたが、その後、機能性
UV硬化樹脂が次々に開発され、
UV乾燥システムは工業・産業界に
無くてはならないものになりました。
NPT-457 シャッター付 (1.0kw)
NPT-457 側面用 (1.0kw)
NPT-457 (1.0kw 2灯)
NPT-457 (2.0kw)
当社の
・多色スクリーン印刷機
・CDL-PRO4シリーズ
・リール to リールマーキング
・印刷ステージ往復型IJP
等々、現在作られている印刷機は、
UVシステム無しでは成り立ちません。
NPT-457 組込例
NPT-457 組込装置全景
(CDL-PRO4-4800)
UV材料を使う印刷機、塗工機の最大のメリットは塗布されたインキなどが即乾に近い速さで硬化(乾燥)することです。
この事により生産速度、省スペース、多色化など多くのメリットが生じます。
★ ssr製 水冷式低温UV乾燥機 ★
ssr製UV照射装置について
UV照射装置には様々なタイプがありますが、紫外線照射時に発生する熱を極力低くし、
低温で処理したいという要求がかなりあります。
ssr社の水冷式UV照射装置は、この様な要求に正に最適です。
特長:
①紫外および紫外-可視領域で、非常に純度の高いUV照射を
提供します。
②コンパクトで周辺設備への影響を気にせず設置が可能です。
③光ディスク用のssr evo VIIは、最高±3%の高い面内均一性
でUV照射が可能です。
実際の製品
インモールドサンプル
ヨーロッパの車載計器には、ssr製UVシステムを使用してUV硬化した部品が多数搭載されています。
ssr製UV照射器は、フォーミング後や成形後のハードコート層の最終硬化に多数使用されています。
ssr evoシリーズ温度測定結果
ssr evoシリーズは、通常の空冷式UV照射装置に比べ、
格段に印刷対象物の温度上昇を抑えてUV硬化させる事が可能です。
・空冷式UV照射装置 :約105℃
・ssr evo 307(水冷) :約80℃
・ssr evo VII BD(水冷):約55℃
※実験時の積算照度は約800mJ/cm2
ssr evo VII 光ディスク用 UVシステム
ssr evo VIIは、特に光ディスク業界からの強い要望により開発されました。
このため高品質で高精細なブルーレイディスク(BD)等に最適なUV照射機です。
また、とてもコンパクトなデザインなので、CD/DVDからBDへ既存設備を改造する場合の
置き換えとしても、 最良のUV照射機の一つになります。
evo VII BDの概略仕様
外寸 :325 X 160 X 200mm
均一性 :±3%以内(照射範囲内)
IR照射 :5%未満
照射範囲:150 X 150mm
出力 :6000W(MAX)
4000W(AVG)
最大負荷:400W/cm
認証 :CE
evo VII dr EBUの概略仕様
外寸 :325 X 228 X 200mm
均一性 :±3%以内(照射範囲内)
IR照射 :15%未満
照射範囲:150 X 150mm
出力 :6000W(MAX)
4000W(AVG)
最大負荷:400W/cm
消費電力:evo VII BDの約50%
光源寿命:evo VII BDの約4倍
認証 :CE
ssr evo 207、307、407シリーズ
このシリーズは、特にプラスティックや電子業界からの強い要望により開発されました。
高品質で繊細な製品の傷防止用透明保護塗料(ハードコート)の硬化や、
出来る限り熱を抑えて低温でUV硬化したいデバイスの処理に最適です。
豊富なバリエーションがありますので、硬化する対象物の大きさ、仕様により、
最適な装置が選択可能です。
※ 標準品は600mmまで、特注で最大2000mmまで対応可能
evo 307の概略仕様
外寸 :475 X 160 X 200mm
IR照射 :3%未満
照射範囲:300 X 150mm
出力 :7500W (MAX)
6000W (AVG)
最大負荷:250W/cm
認証 :CE
ssr evo 407(2灯)
水冷UV硬化用装置
当社ではssr eingineering
社製のUV照射器を使い、お客様の
仕様に合わせてUV乾燥機として
ご提供することが可能です。
動画はその一例のロールtoロール
対応UV乾燥機です。
★ LED/UV ★
LED/UV(製品例)
LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)素子から発生する
紫外線を使用するUVシステム。従来のUVランプ方式に比べ、
① 消費電力が少ない。
② 赤外線が出ないので、照射面が高温にならない。
③ 省スペース。
④ 長寿命。
などの特長があります。
当社はLED/UVをインクジェット(IJP)や、
円筒スクリーン印刷機に使用しています。
※ LED/UVについての詳細は、直接お問い合わせください。
LED/UVランプ
★ UV(紫外線)システムの資料 ★
UVランプの種類
UVランプには大きく分けて水銀(Hg)ランプとメタルハライド
ランプがあります。
水銀ランプ
ランプ(発光管)の中に水銀と少量の稀ガスが封入された物で、365nmを主波長とし、他のランプよりも短波長域の出力が高い
のが特長です。
オフセット印刷、フレキソ印刷、UVコーティング等、
塗膜が薄い場合に使われます。
メタルハライドランプ
ランプの中に水銀と金属ハロゲン化合物を封入した物で、水銀ランプに比べ300~450nmの長波長域の出力が高いのが
特長です。
スクリーン印刷、厚膜塗装等に使われます。
有電極UVランプ
無電極UVランプ
UVランプには、電極のある有電極ランプに対し、電極の無い無電極ランプもあります。
無電極ランプは瞬時に点灯するので、シャッター機構を省略
できたり、ランプユニットを並列に並べるだけで、
照明幅を任意に変えられるなどの特長があります。
無電極ランプにも、水銀(Hバルブ)と、メタハラ(Dバルブ)
他がラインナップされています。
一般的にスクリーン印刷のように、インキ厚が厚い場合は
メタルハライド、オフセット印刷やクリアーコーティング等には、
水銀ランプが良いとされていましたが、UVランプの種類も
上記2種類以外にもありますので、用途に合わせて
ランプ種類を選択してください。
無電極UVランプ
ランプ出力
ランプの種類によって紫外線強度が違います。
一般的には80W/cm、120W/cm、160W/cmが使われていますが、200W/cm以上の
出力のランプもあります。
ランプ出力は、総出力を発光長で割った数値となり、W/cmの単位であらわされます。
(例)発光長500mmで6kwのランプは、6000(W)÷50(cm)=120(W/cm)となります。
UVランプのラインナップ
ランプの種類(水銀ランプ・メタルハライドランプ)と、
ランプ出力(80W/cm・120W/cm・160W/cm)の種類にもよりますが、
最短75mmから2000mm以上の発光長のものまで揃っています。
使用目的に応じてお問い合わせください。
照射器具(ランプハウス)の種類
照明器具は効率良く感光性樹脂を硬化させるための重要な役割を持っています。
反射板材質
アルミミラー
反射効率の高い高輝度アルミ製ミラーを使用し、
UVを効率よく照射します。
コールドミラー
ガラス上に金属酸化物薄膜を多層蒸着して、UVを反射し、
IRを透過する特性を持たせた反射板です。
UVだけを効率良く反射させるので、アルミミラー反射板に比べ、
照射面温度を低く抑えることが可能です。
(資料:GSユアサ技術資料より)
反射板形状
UVランプからの紫外線を効率よく被照射面に照射させるために反射板を搭載します。
反射板については、被照射物に対する熱影響や高い強度が必要か否か等によって種類を選択します。
反射板の種類としては、下記の図の集光形・長焦点集光形・半集光形(平行光形)の他、拡散型などがあります。
(資料:GSユアサ技術資料より)
シャッター
内蔵式:照射器具(ランプハウス)に内蔵されている標準仕様のシャッター機構
外付式:使用目的に応じて当社が後付するシャッター機構
熱線カットフィルター(コールドフィルター)
ガラス上に金属酸化物を多層蒸着して、500nm以上の可視光を
カットし、UVを透過させる特性を持っているフィルターです。
器具下面に設置し、被照射物の温度上昇を抑えます
(資料:GSユアサ技術資料より)
UVチェッカー(UV照度計)UVR-N1
UVインキ、UV塗料、UVコート材、UV接着剤を使用する上で重要なのは、
適性なUV強度(mW/cm2)、積算光量(mJ/cm2)で照射されているかを管理することです。
UVR-N1は最も一般的に使われている照度計で、UV(紫外線)のピーク強度と積算光量が同時に測定できます。
UV測定の様子
UVチェッカー UVR-N1
【注意1】
照度計はメーカーによって表示される値(数値)が大きく違います。
インキや塗料等の仕様書に表示されているmW、mJが、どのメーカー・型式の測定機の値か知っておく必要があります。
【注意2】
LED/UVは単一波長なので、UVR-N1では正確な照度を測定することができません。
★ UVシステムの用途とメリット ★
UVシステムの用途
UV(紫外線)照射システムは紫外線で硬化する樹脂に反応させるシステムで
印刷、塗工、接着など幅広く使われている私たちの生活に欠かせないシステムです。
当社は1970年にUVインキが国産化されて以来あらゆる産業界にUVシステムを納入してきました。
印刷
当社は全ての産業用印刷機にUVシステムを使用しています。
スクリーン印刷:
電子部品、プリント基板、車載計器、メディカル製品、各種成形樹脂、容器他ほか
凸版印刷:
金属製品、巻尺、シリンジ、電子部品、錆止め用途、輸液バッグ、食品容器ほか
凹版印刷:
各種樹脂成型品、文字盤、曲面部品、フープ材ほか
オフセット印刷:
カード、光ディスク、樹脂フィルム、樹脂成型品ほか
インクジェットプリンター(IJP):
樹脂成形品、異形部品、メディカル部品、車載計器、機能性部品ほか
塗工(塗装・コーティング)
各種成形品の塗装や、ハードコートにUV材料を使うと短時間に硬化出来、塗装ラインがコンパクトになります。
当社が総代理店になっているssr社製のUVシステムは、インモールド工法のフォーミング後のハードコート材の本硬化に使われています。
接着
フィルム同士の貼り合せ、成形品へのフィルムのラミネート、電子部品等の仮接着、ディスプレーパネルの封止、嫌気性接着剤の硬化ほか
UVシステムのメリット
UVシステムを利用する最大のメリット(特長)は印刷や塗装の処理後の硬化(乾燥)時間が非常に短くて済むことです。
この特長により様々なメリットが生じます。
省スペース
装置の設置スペースが小さくていい大型スプレー塗装ライン、ロールto ロール印刷機、各印刷方式の多色機には特にメリットが表れます。
省エネ
熱乾燥にくらべUV乾燥は短時間で済むので消費電力が少ない。
印刷、塗工の処理速度
印刷や塗工の処理速度はインキや樹脂の硬化(乾燥)時間によって決まります。
UV硬化は秒単位なので処理速度におおきなメリットがあります。
省資源
インキ、塗料、接着剤などの材料はUV(紫外線)があたらなければ硬化しないので、
冷暗所に保管すれば材料のライフによる無駄は生じません。
省力
乾燥工程のインライン化により印刷機と乾燥機の横持ちが必要なくなり、
工程の処理時間も短縮されるので作業員の人数も大きく削減できます。
品質(歩留まり)の向上
処理時間の短縮、省スペース、省力は材料が装置に滞在している時間を短くし、
大気や人の手に接する時間も短くなるので品質の向上につながります。
環境
基本的にUV材料は無溶剤タイプが多いのでVOCによる大気汚染の原因にはならないうえ、作業環境も改善します。
多色印刷
上記のメリットを集積する事により各種印刷方式の多色印刷機がコンパクトになり、
価格もリーズナブルな装置化が可能になります。
特にロールtoロール装置、ロータリースクリーンなどの高速機にメリットが発揮されます。
プリンタブルエレクトロニクス
UV硬化樹脂や印刷手法の開発や向上により、
プリンタブルエレクトロニクス分野にとってもなくてはならない技術になっています。
装置メンテナンス
UVシステムは構造もシンプルでコンパクトなので定期的なメンテナンスを行えば長期間使用できます。